2005年1月18日 今日のアルバイト

年末から新年にかけて、一年の区切りと始まり、というキリの良さもあってか、大型の古書市が開催される頻度も増えてくるように思います。それにあわせて、アルバイト中にも、それに関する準備を手伝ったり、会場に出向いて手伝ったり、といった作業が増えています。
古書市、というのには大きく2つの意味を持たせています。ひとつは、業者が行う古書市(この古書市をAと呼びます)テレビに出るような魚市場のイメージです。本を競って買い、入札します。もうひとつは、一般人も気楽に参加できる市(この古書市をBと呼びます)日本全国から古書店が集うものから、特定の狭いコミニティを舞台に(神田、早稲田など)あるいは、揃えている本のジャンルを同じくする古書店が合同して一つのテーマを掲げたりしながら、大きな会場を借りて出張営業するものです。原則、入場無料です。
一般人も気楽に訪れることのできる意味での古書市(後者、Bと名付けた市です)には、幾つかのタイプがあります。
1:デパート開催
京王百貨店松屋などといった、大きなデパートの大催しもの場で開かれる古書市です。参加する古書店や規模も大きく、貴重な品も多数並びます。人手も多い。
2:コミュニティ開催
有名な神田古本祭りや早稲田のBIGBOX市、穴八幡宮*1など、それぞれの地域に根ざした場所で、主にその地域に店を構えている古書店が中心になって集まって行います。神田のような大きなものになると、出版社も多く参加します。青空市場形式で行うものが多い。その地域毎に規模や人手もさまざま。
3:古書会館開催
古書会館は神田の本部を中心に、都内各地・各県にあります。そこでは、古書組合という組合組織に加盟している会員だけが参加できる競り市(上でAと名付けた古書市がこれに該当します)が日々行われています。売られる本のジャンルは幅広く、例えば、洋書会という洋書の競り市があったりします。また、アンダーグラウンド・ブックカフェのように、地下の多目的スペースを使って一般来場者のためのイベントや古書市(この市はBの意味での古書市です)もたびたび開いています。興味があるけれど知らなかった、という人も多いと思うので、訪れてみては如何でしょうか。神田の東京古書会館のHPは、http://www.kosho.ne.jp/~tokyo/kaikan.htmです。
4:その他
仲の良い古書店や、ジャンルを同じくする古書店が集まって開く独自の市から、新しいコンセプトを持って運営されている市に至るまで、今まさに発展途上中の面白い古書市があります。例えば、3で述べたようなアンダーグラウンド・ブックカフェがあります。これは、会場で珈琲を飲みながらゆっくり読書ができるカフェスタイルの試みを取り入れたり、従来の古書市よりお洒落な内装や陳列にしてみたり、映画ショーをしたり、文化人のトークショーを行ったりと、本を売るという狭い意味の市でなく、本を通じた広い意味での文化的市場を作ろうとしているもののように思えます。*2


古書市に行くことはあっても、手伝うのは初めての身にとって、作業の多くは自分の至らなさを痛感するものばかりです。幾つも幾つも不手際をしてしまったり、他の古書店さんに気を遣ってもらったりして、これじゃあ、何のために手伝いに行ったのやら・・・。自分の未熟さ故に評価が下がるのは全くの自業自得で、一向に構わないのですが、自分の所為でバイト先の評価も貶めてしまったり、果てはその古書市の評価を落としてしまったり、というのだけは、絶対避けなければならない。(他の古書店さんにとっては、バイトであっても僕は所属している店の関係者なのだし、市に来ているお客さんにとっては、どこの店というのは関係なく僕も古書市に関係しているスタッフの一人としてみられているのです)市の手伝いを通して、本当に自分は世間知らずだと痛感しました。プロ意識が余りにも希薄だ。頼りない。
ご迷惑をおかけした皆さん、本当にごめんなさい。また、色んな大事なこと、興味深いこと、学ばせて頂きました。本当に有難うございます。

*1:詳しくは、早稲田古本ネットなどを参照下さい

*2:アンダーグラウンド・ブックカフェについての詳細は、http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/