2005年2月16日執筆

読まなくなった本を売却にいらっしゃる方は、あまり統一感の無い本をダンボール箱などに入れて持参*1されることが多いのですが、中には文学とか建築とか、あるいは美術書とか、何かしらの一貫性を持った本を持ち込まれる方もいらっしゃいます。更には、ある特定の時代に集中しているとか、ある特定の芸術家の本ばかりであるとか、より深く掘り下げた専門的な本を持ち込まれる方もおられます。そういった本を眺めていると、お客さんの考え方が透けて見えてくるようで、何だか不思議な親近感を覚える時もあります。
中でも、最も興味深い本を持参なさるお客さんの一人は、学者さんです。それぞれの専攻に応じて、「なんじゃこりゃ」と口にしてしまいそうな非常に専門的な本が混じっていたりします。今回面白く読んだのは、各種政府機関の報告雑誌。農林政策と経済成長率/途上国の発展可能性との相関関係など、興味深いトピックが幾つか。こういう行政文書は、恐らくその学者さんが関係省庁の諮問委員か何かを務めていらして、その絡みで読んだものだと思うのですが、市販されていないものなので勿論お値段もついておらず、どのくらいの相場で考えて中古値をつけたら良いのか、ちょっと困ってしまいます・・・。ちなみに、その学者さんの売却なさった大量の専門書の中に、一冊、アイドルの写真集が。しかも1990年代の本。院生の残していった本なのでしょうか?

*1:例えば、時代小説/理学書/画集/文庫新書/単刊の全集もの等等が混在したダンボール箱