主な作業は著名な作家の全集入力作業でした。全集は傍から見ている分には重厚な趣で、「これぞ古本!」という空気を醸し出しているのですが、扱う段になると、なかなか手強いものがあります。全集には月報がついています。これは、編纂に関係した人や全集に収録された作家や哲学者を深く研究している学者さんなどが、小さな解説をつけたものをまとめた薄い冊子です。全集を研究目的等に用いる人にとっては貴重な文献資料ともなります。そのため、月報が欠けている全集はお値段も安めになってしまいます。5巻くらいの著作集だと月報の確認も苦にならないのですが、30巻も40巻もある全集をぺらぺらめくって月報を探す作業を繰り返していると、流石にちょっと疲れてしまいます。更に、入力作業が終わってからも大変です。入力端末のPCデスクから別の場所へ本を一時保管のため運ぶのですが、辞書のような分厚い本が何十冊とまとめて紐括りされた全集を持ち上げて運ぶのは、大変力を要するようです。女性にはキツイかもしれません。加えて、それを持って長い階段を上る時などは、成人男性でも参ってしまいます。古本屋さんというとインドアなイメージも強いのですが、意外や意外、体力勝負な一面もあるのですね。そのことを痛感しました。


帰り際、民家の室外機の上で居眠りしている猫を発見。室外機の上にいると暖かいのかな?(写真の猫がその猫です)