2004年12月17日 今日のアルバイト

勿論、古書に限った話ではないのですが、背表紙側すぐのページには、しばしば著者や訳者・解説者などの略歴が載っていることがあります。
一般的には、生年や学歴、研究歴などが無味乾燥気味に書かれているのですが、稀に、細かくプロフィールが記載されていることもあります。

本日、入力作業をしていて印象的だった個性溢れる略歴欄。

「好きなことは洋楽ロックのレコード集め。梅干が苦手」

なかなか親近感が湧く執筆者ですね・・・


更にまたある本では、絶版になっていたこの著者の本が、何の縁もゆかりもない二人の若者の尽力で別の出版社から再発売されることになった経緯が少し熱っぽく書かれていたのですが、その二人の若者の名前を読んで、僕はバイト中なのに、思わず声をあげて驚いてしまいました。
その二人のうちの片方は、僕が予備校で数学を習っていた、非常に優秀な先生の名前だったからです。もう今から20年ほども前に、1冊の本の復刊のために駆け回っていた若い頃の先生の姿を想像すると、何とも感慨深いものがありました。
講義を受けた頃は、(特異な経歴を持った人ではありましたが)格別気にもとめずにいましたが、まさか古本屋のアルバイトで彼の名前を発見するとも思わず、しかも、その本はかなり特別なジャンルの本だったので、その講師の意外な一面も知ることができ、何とも、人の繋がりとは本当に不思議な所から、忘れかけた頃に湧いてくるものなのだなあ、と、妙な感動を覚えてしまっていました。


店主さんから、バイトの日数を一日増やしてもらえないか、との打診。
少し疲れるだろうけれど、引き受けました。困った時はお互い様。
大学も長期休暇に入ったし、年末でスタッフの皆さんも忙しそうだから、手伝えることは何でもしようと思う。