2005年2月7日 今日のアルバイト

今回も、本の間に挟まっていたものシリーズです。本日はいつもと毛色が違い、非常に私的な色彩の濃いものが出てきて、驚いてしまいました。一つ目は、何と“へそくり”。かなり古い本だったので出てきたお金は旧札だったのですが、しかし、見つかった額は馬鹿になりません。僕が物心ついた頃は、既に(当時の)新札(福澤、新渡戸、夏目)でしたので、自分の眼で旧札を見たのは初めてでした。聖徳太子は一万円だけでなく、五千円にも使われていたのですね。幸い、店主さんが心当たりあるとのことで、お金は持ち主に返却して頂けそうです。ホッ、としました。良かった。でも、見付けた時は、どうしたら良いんだろう・・・と、非常に戸惑ってしまいました。
もう一つは、便箋。甥らしき男性からの手紙です。封筒には年代ものの美しい切手が貼られています。しかも、別の本からも同じ宛先/封筒が一葉出て来ました。これで二様の封筒・便箋が見つかったことになります。こちらも、相当に古いお手紙です。また、古本の方も何処から手に入れてきたものやらわからず、店主さんも手紙については心当たりが無いのだそうです。宛先にある住所に問い合わせてみた方が良いのかなあ。先方、探していらっしゃったりしてはいないでしょうか。心配です。
お金については違うのでしょうが、恐らく、封筒は栞代わりに本に挟んでおいたものでしょう。古本のページの間には、所有者の人間観や人生を偲ばせてくれるような数々の品が時折、挟まれています。それは持ち主の皆さんの思い出であると言っても、過言では無いと思います。でも、思い出は常に自分の傍に置いておくもの。どうか自分の手元から離さないようにして下さいね。古本屋に本を売ることはできますが、思い出を売ることはできません。本の間の落し物には、ゆめゆめ、ご注意されますよう。