僕の実家がある香川県内の(新刊)本屋業界で一大勢力を誇り、今や中四国地方を中心に全国各地で店舗を構えている宮脇書店が(http://www.miyawakishoten.com/)この夏に大胆なリニューアルを敢行した模様。景気回復と叫ばれている影響かどうかは不明ですが、香川県でも全国区レベルの大きな本屋さんの出店が徐々に増えつつあるようです。高松の再開発・商店振興の一環として紀伊国屋書店を誘致している話はよく耳にしていました。さらに、地元紙・四国新聞ウェブ電子版を軽く眺めてみただけでも、つい先日の8月12日にヴィレッジヴァンガードが県内初オープンしている等(http://www.shikoku-np.co.jp/news/economy/200608/20060812000081.htm)宮脇独裁体制(?)を脅かすに足る存在が進軍してきているような印象を受けます。
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これら出店ラッシュの影響かどうか判然としませんが、香川のブック・ガリバー・宮脇書店も店舗の改革に乗り出しました。知る人ぞ知る、全国有数の巨大売り場空間「宮脇カルチャースペース」の改装(2006年8月10日に改装終了済&オープン)です。店舗地図(http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=34%2F21%2F14.463&lon=134%2F4%2F5.847&layer=1&ac=37201&p=%B9%E2%BE%BE%BB%D4%C4%AB%C6%FC%BF%B7%C4%AE%A3%B3%A1%DD%A3%B4&mode=map&size=s&sc=4)をご覧頂いてもわかるように、およそ本屋としては通い難い高松の港近くに「それ」はあります。改装前も、本屋というよりは巨大倉庫のたたずまいで、それはそれでインパクトがあったのですが、どうもブックマニアの聖地的な、或いは、確かに在庫は凄いが余程近所じゃないと好んで行かない、といったような僻地的雰囲気はありました(店内も土足禁止でスリッパ移動するなど、図書館的な空気もありました)事実、本の在庫や質自体には問題がないだけに、改装という選択は店の魅力を広くアピールするためにも重要なことです。
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ここで大切になってくるのが改装の方向性です。ターゲットの明確化や具体化などが欠かせません。さて、宮脇はどのように駒を進めたか。
「宮脇カルチャースペース」の場合、何と「本のテーマパーク」と銘打って、店舗の屋上に遊園地を作ってしまいました。参考までに、宮脇書店HP内のニュース記事を掲載(http://www.miyawakishoten.com/mcs.htm)しておきます。遊園地の写真も何枚かありますが、何と言いますか、初見、「これって、六本木のドンキホーテ・・・」(http://roppongi.keizai.biz/headline/298/index.html)という嫌〜なデジャヴが。そういう方向に進んでしまうんでしょうか。
ヴィレッジヴァンガードも「遊べる本屋」として、かなり異色ですし(個人的には、実はあの空気に馴染めないんだよなあ・・・)宮脇もヴィレッジ〜の香川出店を意識して今回の改装に踏み切ったのかどうか、僕には定かではありません。本屋の主役はもちろん、本や本にまつわる諸々の活動であって、遊園地はきっと、子供連れ客など今までは訪れにくかった顧客を振り向かせるためのインパクト重視な「呼び水」なのだろうと、僕自身は考えています(事実、僕の知人や家族なども「宮脇の工事で何か変なもんができよるで」等と、改装中から関心を抱いているようでした。しかし、「変なもん」って・・・)でも、今の娯楽状況を考えてみるに、果たして「遊園地」というキーワードは、お客に訴求するのだろうか?たぶん、本に関心のないファミリー層は、一度興味本位で覗いてみることはあっても、継続的に来店しないんじゃないかなあ、と思うのです・・・
小さなころから宮脇書店に慣れ親しんできた身としては、今回のリニューアル路線に違和感を覚える向きもないではないのですが、やはり本屋は本屋。たとえ屋上に観覧車ができようと、売り場の本がどのように進化したか、そこを見届けないとフェアじゃないなあ、と思います。ここは一度、「新生・宮脇カルチャースペース」を訪れて、自分の眼でじっくり確かめねば!

*** しょうもない(?)追記 ***

香川の実家に8月10日、リニューアルを知らせるチラシ記事が届いていたのですが、家族がすぐに捨ててしまいました・・・。参考資料にしたり、チラシの画像写真をBLOGにアップしようと思っていたのですが・・・残念。