現代みたいな走り方だから

村上龍対談集『存在の耐えがたきサルサ』(文春文庫、2001年)より引用します(http://www.bunshun.co.jp/book_db/7/19/00/9784167190040.shtml
今みたいな社会趨勢の中で読み直すことで更にグッとくる部分があったので(本当は、グッときちゃいけないハズなんだけど)自分への備忘録的な意図も兼ねて引用したいと思います。ちなみに、この対談集は少し古い出版だけど、内容は古ぼけてなくて凄く刺激的です。折に触れて何度も読んで、思考する元気をもらっています。未読の方は是非どうぞ。

村上
「ただ、今の日本をもう一回古き良き日本に戻そうという試みは、たぶん有効じゃない。今の若い人の一部は、輸入される情報の渦の中にいて、日本的共同体が保証する社会的個がダサイということを見抜いています・・・中略・・・けれども日本の大人たちはいまだに日本の家庭、日本の社会、日本の学校、日本の企業という共同体の中に社会的個を規定しようとする。その間のギャップというのは、誰も気づいてないけれど、ものすごく大きい。だから、モチベーションはズタズタになってしまう・・・後略・・・」(前掲引用 pp.226

もう、こんな引用を繰り返さないで済みますように。